ゴルフにおいて一番初めにマスターしたいのがグリップです。
ゴルフを始める人のほとんどが初めてゴルフクラブを握るときに戸惑います。
今までやったことのない握り方だからです。
野球のバット、テニスのラケット、剣道の竹刀など握るものはいろいろありますが、そのどれとも違います。
なぜかと言うとクラブヘッドを正確にスイングする必要があるからです。
グリップは一度ズレた形で覚えてしまうと後で直すのがとても大変です。
違和感との戦いになります。
初めに正しいグリップをマスターしておきましょう。
形をしっかりマスターすることによりヘッドの重さやフェースの向きを感じることができるようになり、クラブの操作がしやすくなり、正確なショットが打ちやすくなります。
ここではグリップの名称、グリップの強さ、グリップの意識するところをお伝えします。
グリップの名称
グリップの握り方には名前があります。この名前をよく覚えてください。
そしてグリップの特徴を名前ごとに覚えておくと自分に合ったグリップが見つかりますし、
グリップを早く覚えることによってゴルフスイングも早く覚えやすくなります。
本当にゴルフ上達の中心となる部分ですのでしっかり覚えてくださいね!
スクエアグリップ(影響するところ⇨フェースの向き、方向性、腕の動きなど)
スクエアグリップはニュートラルグリップともいい、グリップの基準になる握り方です。
その基準は左手の甲の向き、左手親指の位置、右手の親指と人差し指の付け根にあります。
・ 左手の甲が目標を向く
・ 左手親指はグリップの真上に置く
・ 自分から見た左手は人差し指と中指のナックルが見える
・ 右手の人差し指と親指の付け根の向きがアゴを指す
スクエアグリップはフェースの向きを意識しやすいグリップです。
スイング中のフェースローテーションをコントロールしやすく、球筋のコントロールを行いやすいグリップといえます。
ただし
ゴルフを始めたばかりの時期はフェースコントロールが難しく、インパクトでフェースが開きやすくなるので次にお伝えするフックグリップを勧めることが多くあります。
フックグリップ(影響するところ⇨フェースの向き、方向性、腕の動きなど)
フックグリップはストロンググリップとも言います。
インパクト時にフェースを閉じやすくボールに力をこめやすいのと同時に、
ボールに左回転を掛けやすいためフックが出やすくなります。
・ スクエアグリップよりも左手甲の向きがやや上を向く
・ 左手の親指はグリップの真上よりも右側に置く
・ 左手の人差し指、中指、薬指のナックルが見える
・ 右手の親指と人差し指の付け根は右肩を指す
フックグリップはスイング時のフェースの開く量が少ないために、初心者のころにはとても有効なグリップです。
ただし、フェースローテーションを意識して行いずらいので、フェースをスクエアに戻すことを覚えないとスライスがでたり、それを嫌がって逆にフックしやすくなりますのでスイングの上達とともに調整が必要になります。
スライスグリップ(影響するところ⇨フェースの向き、方向性、腕の動きなど)
スライスグリップはウィークグリップとも言います。
スイング中にフェースの向きが開きやすく、インパクト時にフェースをスクエアに戻しずらいため、しっかりとフェースを閉じる必要があります。
・ スクエアグリップよりも左手の甲がやや下を向く
・ 左手の親指はグリップの真上かやや左に置く
・ 自分から見て左手の人差し指のナックルだけが見える
・ 右手の人差し指と親指の付け根はアゴを指す
最近ではスライスグリップの人はプロでもあまり多くはありません。
ですがゴルフを始めたばかりの人は以外にもウィークに握っている人も多く、
セットアップとも関係してきますがグリップを正しく握るだけで急激に当たりやすくなる人が多いです。
ゴルフを初めたときからグリップをしっかりと覚えることが重要になります。
インターロッキンググリップ(影響するところ⇨左右のバランス、クラブの操作性など)
インターロッキンググリップは両手の一体感が一番でるグリップです。
左手の人差し指と右手の小指を絡めてグリップします。
始めたばかりのころはインターロッキンググリップかオーバーラッピンググリップで
迷うこともあると思います。
そんな時はなぜこの握り方なのかということをしっかりと意識します。
右手の小指をグリップから離している、それによって両手が近づいている。
両手の一体感が増し、右手の力がセーブされているということになります。
物を握るとき、小指を外して握ると思ったよりも力が出ないことに気が付きます。
ゴルフのグリップも同じで、小指をグリップから外すことによって右手の力を減らしています。
右手の力をより減らして左右のグリップを一体に近づけたものがインターロッキンググリップです。
初めに取り組んでもらいたいグリップです。
オーバーラッピンググリップ(影響するところ⇨左右のバランス、クラブの操作性など)
以前はオーバーラッピンググリップは多数派、インターロッキンググリップは少数派でした。
オーバーラッピンググリップをまず覚えてから、手の小さい人などはインターロッキング
グリップに換えるという人が多かったのでした。
しかし、タイガーウッズ選手が現れてからインターロッキンググリップでゴルフを始める人が多くなりました。
タイガーウッズ選手がインターロッキンググリップだったからです。
オーバーラッピンググリップもインターロッキンググリップと同様に右手の小指をグリップから外し、
左手の人差し指に乗せるという形です。
これによって右手の力を減らして左右のバランスをそろえようとしました。
ゴルフを始めたときは必ず利き手が主体になります。
左右の力のバランスが悪くスイングやインパクトに大きなズレをおこさせます。
そのため極端に右手の力を抜いたりする人がいますが、
これもまたインパクトで当たり負けをしたり、スイング中にグリップが弛みミスショットが出ることになります。
右手のグリップはスイングがある程度安定し、当たる確率が上がってくるまではしっかりと握りましょう。
左右のバランスが取れればOKですので、左グリップの強さと右手のグリップの形を
しっかりと作り弛みのないグリップにしましょう。
その中でオーバーラッピンググリップかインターロッキンググリップのどちらか
しっくりくる握り方に決めれば良いでしょう。
テンフィンガーグリップ(影響するところ⇨左右のバランス、クラブの操作性など)
テンフィンガーグリップは超少数派です。
でも最近ではテンフィンガーグリップの選手がツアーで優勝して注目をあびている握り方です。
ベースボールグリップとも言い、右手の小指もグリップにのせた握り方になります。
この握り方の特徴はなんといっても右手の感覚が出せることにあります。
さらには右手の力を十分に使えるので非力な人が勧められるグリップです。
グリップは両手が離れるほど自分でヘッドを大きく回しやすくなり、
両手がくっつくほどヘッドを回しにくくなります。てこの原理と一緒ですね。
テンフィンガーグリップは一番てこの原理を利用しやすく、振り遅れがちなヘッドを早く戻しやすくなりますので、スライスが改善されたり、芯に当たるようになったり、飛距離が伸びたりすることもあります。
どうしてもスイングが安定しない、グリップが弛んでしまう、インパクトが弱々しいなど
問題が解決できないときは一度テンフィンガーグリップを試してもいいかもしれません。
上記以外のグリップについては、パターのグリップがあります。
パターのグリップについてはこちらを参考にしてください⇨⇨⇨パターのグリップ(握り方と手順)
グリップの強さ
グリップの強さは人によって違います。そして伝えることがとても難しい部分になります。
強く握りすぎたり弱く握りすぎたりすれば、ミスヒットや球が曲がったり、
インパクトのぶれや飛距離ロスがおこります。
とくにゴルフを始めたばかりのときは強さが一定にできません。
当たり外れが多いのでショットごとに握る強さを変えていたりします。
これは練習量に比例して、上達に比例してマスターできてきます。
ゴルフを始めたとき➡➡➡強めにしっかり握る、形をとにかく覚える
100切り➡➡➡やや強めにしっかり握る、形をとにかく覚える
90切り➡➡➡やや軽めにしっかり握る、形を安定させる
80切り➡➡➡軽めにしっかり握る、形を安定させる
強さのバロメーターは10段階で表すと
強め(6)➡➡➡やや強め(5)➡➡➡やや軽め(4)➡➡➡軽め(3)
目安として覚えておくといいと思います。
そしてグリップの形を覚えることが強さの安定にもつながりますので
まずはグリップの形をしっかりとマスターしましょう。
グリップの意識するところ
グリップはクラブと体の唯一の接点です。
いくら良い動きをしてもグリップが悪ければミスショットが出てしまいます。
逆に正しいグリップ、きれいなグリップをしているとクラブの重さ、ヘッドの重さ、フェースの向きが良くわかるようになり、さらにスイング中のヘッドの存在感、フェースの向き、遠心力など感じ取ることができてきます。
ですのでグリップはヘッドと一緒に意識しなければなりません。
フェースを常に目標に正しく向ける握り方、スイング中のヘッドの軌道、フェースの向きを安定させるための握り方を常に意識するということです。
グリップは丁寧にいつも確認しながら作るようにしてください。
自分から見た形、鏡で見た形、模範となるグリップと見比べてください。
形ができてから感覚が芽生えてきますので、良いグリップを作れば自然とゴルフスイングの正しい感覚が覚えられることでしょう。
以上でグリップについての基礎知識は終了です。
次は正しいグリップの握り方(手順)を学びましょう